〇〇は忘れた頃にやってくる、それはこの強要講座のためにあるような言葉です。書いている本人も前回がいつだったか忘れていて、ちょっと調べたら2018年1月以来なので、2年以上のご無沙汰です。 
 で、今回のテーマはパンタグラフの色、何色だろうと電気が取れればいいのですが、模型を作る者にとっては結構頭を悩ます問題なのです。

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また同じ写真が出てきましたが、今回はパンタに注目してください。どう見ても黒ですね。少なくとも昭和40年代前半まで、PS13だとかPS11などの旧型は黒。私鉄も旧型(PT35あたりまで)はほとんどが黒でした。

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同時代の電機はというと、枠組は銀、フレームは黒という手の込んだ細工をしています。電車では151系とか153系に採用されたPS16が銀色で、これが非常に格好よく見えました。

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新性能車の元祖である101系はクモハ100、モハ100とも初期の50両くらいはPS13が付いていました。量産車は通風器もグロベンになったので、内心「72の全金車とたいして変わらないじゃないか」とガッカリしたものです。銀色のPS16になった101系を初めて見た時は、感激のあまり小便をチビリそうになりました。以来、私の頭には「パンタは銀に限る、銀でなくてはならない、銀でなければパンタとは認められない」という思いが焼き付けられたのです。

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時代は移り、昭和50年代あたりから、いつの間にか首都圏の電車のパンタはグレーになっていました。この張本人は大井工場のようで、ベンチレーターのグレーと共通化したものと思われます。大井工場は独創的な改造を行ったりしますが、急行形サロの回送運転台がある妻面を1色塗りにしたり、クハ153の前面幌当て座のステンレス枠を塗りつぶしたりと、いろいろな手抜きを実行しています。

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国鉄末期でも首都圏以外の郡山工場や長野工場はパンタを銀に塗るという伝統を守っていました。中央線の荷電は三鷹電車区のクモニ83はグレー、松本運転所のクモユニ82は銀という違いが見られました。JRになると電機、電車の区別なく、ほとんどがグレーになってしまいます。

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手前の予備パンタは汚れていないので、グレーなのがよくわかります。

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これもやや明るい目のグレーです。

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最近のパンタは枠組がステンレスになり、その部分は塗装が省略されています。フレームはグレーですが、汚れが付くと違いがわからなくなります。

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E257系は何故か黄色でした。「く」の字の部分はステンレスで無塗装です。新製時はグレーだったと思うので、なんらかの意図があって黄色にしたのでしょう。

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JR以外を見てみましょう。秩父の電機はグレー。

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岳南の電機、かなり明るいグレーです。

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ポッポの丘に保存されている元銚子電鉄のデハ701。これは塗ったばかりでギンギンです。

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都電も銀でした。

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西武101系。枠組以外は銀色のようです。

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西武6000系。枠組はステンレスのようです。フレームの横を黄色く塗っているのは、パンタ間の引通しがあるので、畳んでいても電気が来てる可能性があるから注意するようにという意味です。

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阪急6000系。枠組はグレーなのかステンレスの地肌なのかははっきりわかりません。フレームは銀のようです。

 ということで、最近のパンタは塗装と無塗装の部分が入り混じっています。模型でこれを正直に再現しようとすると、結構手間を食うことになりますが、そこまでの違いがわかる人は少ないでしょう。蛇足ですが、過去には東武がパンタを濃いめの青に塗っていたことがありました。京成も昔は台車と同様の緑が入ったグレーだったし、南海の11001系も新製時は床下も含め、車体と同じライトグリーンだったと聞いています。209系が出て間もなく、運転室からパンタを確認しにくいというので、試験的に枠組をオレンジに塗ったことがありました。
 以前の玉電製作記でOER3001氏さまからパンタの色についての突っ込みがありましたが、その理由は101系の項で書いたように、銀色のPS16の印象が非常に強烈だったからなのです。