ブレーキ装置の組立てもいよいよ大詰めに近づいてきました。位置関係の確認はできたので、組立てと固定方法を具体的に考えてみます。
実物はどうなっているだろうか。これは西武鉄道のFS372、引き棒の端はネジになっていて、先端のナットを回してブレーキシューと車輪踏面の間隔ブレーキシリンダのストロークを調節します。
EF65の台車はネジの部分をパイプでカバーしています。車輪側が太いのですが、模型では先端の細い方とナット押さえにもなっている角棒のような部分だけ、それらしく作ってみます。
ブレーキシューの下側は0.8mmの穴が空いていたので同径の洋白線を通し、間隔を保つために内径0.8mmの細密パイプを所定の寸法(33.2mm)に切ってスペーサーとしました。しかし、これは少しひ弱だし、3台車分でパイプが3袋必要になり2400円ほどの出費になってしまいます。たまたま仕事絡みで御茶ノ水に行ったついでに立ち寄ったレモン画翠で外径2mm、内径1mmの真鍮パイプを見つけたので、これを使ってみました。車輪との間隔を保つためのスペーサーもこいつを3mmに切って嵌込んでみたところ、そこそこうまく収まりました。実物とは形態が異なるけど、車体に取付ければほとんど見えない部分だから機能優先でよしとします。ただし、これでは固定できず、ネジで止められるような方法を考えないといけません。
2mmパイプを所定の寸法に切断するための治具。3mmのパイプの内径が2.2mmくらいだったので、これを33.2mmに切って片方の先端を端材で塞ぎます。これに2mmパイプを入れて出っ張った部分を切落とせば、同じ寸法のパイプが量産できます。
切ったパイプは両端から3mmずつ、1.0mmの穴径を1.2mmに広げます。ヤンキーバイスに咥えて垂直は出ているはずですが、それ以上揉み込むと軋りが出てドリルが折れそうです。
穴が広がったら内径0.8mm、外径1.2mmのパイプを差込み、出っ張った部分は切って軽くハンダを流しておきます。よく水洗いしてから1mmのタップを立てるのですが、2mmくらい入ったところでかなり抵抗が増え、3歩進んで2歩戻る状態。切り粉を払ったり軽く油を付けたりしてもちょっと無理をするとタップをねじ切ってしまいます。実は所定本数を加工し、予備を2本くらい作っておこうというところで手加減を誤り、見事に折込んでしまいました。
組立てました。引き棒とシュー吊りで1軸あたり8箇所、1mmビスでネジ止めするわけですが、ハズキルーペのお世話にはならずにすみました。
角棒のようなものは2×3×2のチャンネルに引き棒を逃げる切込みを入れ、端は両脇を切取って折曲げました。引き棒の先端は外径1.5mmのパイプを被せています。
チャンネルの加工には治具を作りました。ここにチャンネルを嵌込み、両脇のアングルの切れ込みを糸鋸のガイドにします。先端は折り曲げず、別の帯材をハンダ付けすることにしました。
所要12個のところ、どうせすっ飛ばして行方不明になるのが出るので三つ四つ多めに作りました。右の2個は仕上げ前。全長6mmほどですが少し長すぎたので1mm弱削りました。
ご用済みの治具は2mmパイプを3mmに切るための治具に再利用しました。外径3mmのパイプを3mmに切って赤丸の部分にハンダ付け。これに2mmパイプを差込み、糸鋸で切れ目を入れます。
ヤンキーバイスに咥え直し、少しずつ回転させながら切ります。パイプは引っかかりやすいのでほとんど力は入れず、糸鋸の重さで刃を食い込ませていく感じです。
必要なパーツがすべて揃いました。しかし、引き棒の先端側は1.3mm幅に1.0mmの穴を空けているので非常に弱くなっています。
穴の部分の補強と取扱いの簡素化を兼ね、3mmのスペーサーは引き棒にハンダ付けすることにしました。1mmの線を垂直に立て、これに串刺ししてハンダ付けすれば穴の位置もずれません。しかし、真鍮線ではハンダが流れて一緒に固定されてしまうリスクが大きい。過去にも同様の事例で油を塗ってみたりしましたが、1/3くらいの確率で失敗します。ここはハンダがつかないアルミ線を使うのが賢明ですが、1mmのアルミ線はあるのだろうか。
まず東急ハンズに行ってみると、1mもののバラ売りがあるようですが在庫切れ。念のため中野の島忠に寄ったみたけど、ここはDIY主体なので形材はいろいろあっても丸棒は4mmより細いのはありません。帰宅してからネットで検索するとヨドバシにあるようなので、夕飯前にもう一度新宿まで往復しました。肝心のアルミ線は50cmの5本入りで940円。実際に使うのは3cmくらいなんだけど背に腹は替えられません。おかげでハンダ付けはストレスなく捗りました。4本は手つかずなんで、必要な方がいたら1本100円でバラ売りします。
ハンダ付け完了。これでちょっと引っかけただけでグキッとひん曲がることはないでしょう。
1台車分を組立ててみました。だいぶ手抜きだけども視覚的にはこれで十分です(個人的な感覚です)。
実物は枕バネ寄りにもリンクみたいなのがありますが、模型では目立たないしスペース的にも余裕がないので省略します。
引き棒先端のパイプは1.6mmにしました。見た目の違いはほとんどなく、嵌込むのにこの方が楽だからです。
車輪は左右のガタが0.5mmくらいあり、一番振れても引き棒との隙間は1.5mmくらいあります。実物はもっと狭いですが、2線式ではこれくらいが必要最小限でしょう。
実はもうひとつ重要な問題があります。この台車は枕バネ関係の取付け都合から左右の側枠と枕梁は固定されています。ブレーキ装置も一度組立てたらなるべくバラしたくない。しかし、塗装の時は車輪を外さないといけません。幸い、軸箱は下からのネジ止めなので、これを外せば車輪は抜けると考えていたのですが、いざ軸箱を外してみても、ブレーキ引き棒が邪魔して車輪は外せないのです。となればブレーキ装置を外すことになりますが、1mmネジを抜くことは避けたい。どこか1箇所、逃げを作ればよさそうなので、そのシミュレーションをいろいろと考えています。
実物はどうなっているだろうか。これは西武鉄道のFS372、引き棒の端はネジになっていて、先端のナットを回して
EF65の台車はネジの部分をパイプでカバーしています。車輪側が太いのですが、模型では先端の細い方とナット押さえにもなっている角棒のような部分だけ、それらしく作ってみます。
ブレーキシューの下側は0.8mmの穴が空いていたので同径の洋白線を通し、間隔を保つために内径0.8mmの細密パイプを所定の寸法(33.2mm)に切ってスペーサーとしました。しかし、これは少しひ弱だし、3台車分でパイプが3袋必要になり2400円ほどの出費になってしまいます。たまたま仕事絡みで御茶ノ水に行ったついでに立ち寄ったレモン画翠で外径2mm、内径1mmの真鍮パイプを見つけたので、これを使ってみました。車輪との間隔を保つためのスペーサーもこいつを3mmに切って嵌込んでみたところ、そこそこうまく収まりました。実物とは形態が異なるけど、車体に取付ければほとんど見えない部分だから機能優先でよしとします。ただし、これでは固定できず、ネジで止められるような方法を考えないといけません。
2mmパイプを所定の寸法に切断するための治具。3mmのパイプの内径が2.2mmくらいだったので、これを33.2mmに切って片方の先端を端材で塞ぎます。これに2mmパイプを入れて出っ張った部分を切落とせば、同じ寸法のパイプが量産できます。
切ったパイプは両端から3mmずつ、1.0mmの穴径を1.2mmに広げます。ヤンキーバイスに咥えて垂直は出ているはずですが、それ以上揉み込むと軋りが出てドリルが折れそうです。
穴が広がったら内径0.8mm、外径1.2mmのパイプを差込み、出っ張った部分は切って軽くハンダを流しておきます。よく水洗いしてから1mmのタップを立てるのですが、2mmくらい入ったところでかなり抵抗が増え、3歩進んで2歩戻る状態。切り粉を払ったり軽く油を付けたりしてもちょっと無理をするとタップをねじ切ってしまいます。実は所定本数を加工し、予備を2本くらい作っておこうというところで手加減を誤り、見事に折込んでしまいました。
組立てました。引き棒とシュー吊りで1軸あたり8箇所、1mmビスでネジ止めするわけですが、ハズキルーペのお世話にはならずにすみました。
角棒のようなものは2×3×2のチャンネルに引き棒を逃げる切込みを入れ、端は両脇を切取って折曲げました。引き棒の先端は外径1.5mmのパイプを被せています。
チャンネルの加工には治具を作りました。ここにチャンネルを嵌込み、両脇のアングルの切れ込みを糸鋸のガイドにします。先端は折り曲げず、別の帯材をハンダ付けすることにしました。
所要12個のところ、どうせすっ飛ばして行方不明になるのが出るので三つ四つ多めに作りました。右の2個は仕上げ前。全長6mmほどですが少し長すぎたので1mm弱削りました。
ご用済みの治具は2mmパイプを3mmに切るための治具に再利用しました。外径3mmのパイプを3mmに切って赤丸の部分にハンダ付け。これに2mmパイプを差込み、糸鋸で切れ目を入れます。
ヤンキーバイスに咥え直し、少しずつ回転させながら切ります。パイプは引っかかりやすいのでほとんど力は入れず、糸鋸の重さで刃を食い込ませていく感じです。
必要なパーツがすべて揃いました。しかし、引き棒の先端側は1.3mm幅に1.0mmの穴を空けているので非常に弱くなっています。
穴の部分の補強と取扱いの簡素化を兼ね、3mmのスペーサーは引き棒にハンダ付けすることにしました。1mmの線を垂直に立て、これに串刺ししてハンダ付けすれば穴の位置もずれません。しかし、真鍮線ではハンダが流れて一緒に固定されてしまうリスクが大きい。過去にも同様の事例で油を塗ってみたりしましたが、1/3くらいの確率で失敗します。ここはハンダがつかないアルミ線を使うのが賢明ですが、1mmのアルミ線はあるのだろうか。
まず東急ハンズに行ってみると、1mもののバラ売りがあるようですが在庫切れ。念のため中野の島忠に寄ったみたけど、ここはDIY主体なので形材はいろいろあっても丸棒は4mmより細いのはありません。帰宅してからネットで検索するとヨドバシにあるようなので、夕飯前にもう一度新宿まで往復しました。肝心のアルミ線は50cmの5本入りで940円。実際に使うのは3cmくらいなんだけど背に腹は替えられません。おかげでハンダ付けはストレスなく捗りました。4本は手つかずなんで、必要な方がいたら1本100円でバラ売りします。
ハンダ付け完了。これでちょっと引っかけただけでグキッとひん曲がることはないでしょう。
1台車分を組立ててみました。だいぶ手抜きだけども視覚的にはこれで十分です(個人的な感覚です)。
実物は枕バネ寄りにもリンクみたいなのがありますが、模型では目立たないしスペース的にも余裕がないので省略します。
引き棒先端のパイプは1.6mmにしました。見た目の違いはほとんどなく、嵌込むのにこの方が楽だからです。
車輪は左右のガタが0.5mmくらいあり、一番振れても引き棒との隙間は1.5mmくらいあります。実物はもっと狭いですが、2線式ではこれくらいが必要最小限でしょう。
実はもうひとつ重要な問題があります。この台車は枕バネ関係の取付け都合から左右の側枠と枕梁は固定されています。ブレーキ装置も一度組立てたらなるべくバラしたくない。しかし、塗装の時は車輪を外さないといけません。幸い、軸箱は下からのネジ止めなので、これを外せば車輪は抜けると考えていたのですが、いざ軸箱を外してみても、ブレーキ引き棒が邪魔して車輪は外せないのです。となればブレーキ装置を外すことになりますが、1mmネジを抜くことは避けたい。どこか1箇所、逃げを作ればよさそうなので、そのシミュレーションをいろいろと考えています。