OER3001氏が8月10日付のブログで、銀座通りを走る都電の最終日の様子を紹介されているので、早速、便乗させてもらいます。これを機会にカテゴリーに便乗ネタと都電を追加しました。

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昭和42(1967)年12月9日は穏やかな冬晴れでした。まずは新橋~新橋5丁目間の歩道橋から狙います。5502がやってきました。これは交通局が独自に開発していた高性能車として6000形のラストナンバーである6291になる予定でした。ところが、日本初のPCCカーとして前宣伝を効かせていた5501は特殊部品の製作に手間取って竣工が遅れてしまい、そのリリーフ役として6291の足回りに突貫工事で作った5501もどきの車体を組合わせ、5502として竣工したのです。5500形の中では一番早い竣工ですが、本家PCCの顔を立て、車号は5502と遠慮しています。車体は5501とも5503以降とも微妙に異なり、どちらかといえば5501に近い感じです。なお、足回りを取られた6291の車体はもう一度同じ足回りを新製し、6501として竣工しています。

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廃止になる三田営業所(車庫)には長年のご愛顧に感謝の花輪が並んでいました。6018はあまり見かけなかった若番です。

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目黒営業所も廃止になります。目黒駅に近い日吉坂を登る1000形。かなりの急勾配です。

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青山営業所の6番も廃止となります。この6152はその後、新宿車庫から荒川車庫と移り、現在は荒川遊園で保存されています。

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夕方近くになって銀座に戻ります。40番(神明町車庫)の装飾電車で、確か6100だったと思います。

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しばらくは4丁目交差点角の三愛ビル2階から撮影しています。すっぴんの5506。都電を見送る人がだいぶ増えています。

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晴海通り。広尾車庫の8番も廃止になります。装飾車は杉並線から転属の2000形で、この後期タイプは長崎電軌に譲渡されています。

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真打ち、5501のお出まし。PCCのパテントで製造されたのは、日本の路面電車の中でもこの5501だけです。前面が少しいかつい感じで、本家の雰囲気が感じられます。空気系統がないのでドアの開閉も電動で、これがなんともまだるっこしい動きでした。一時、スピードをあげると振動が激しいとかで休車に近い状態になっていましたが、車輪を打込む時に振れが出ていたのがわかり、これを直してから廃止までの1年くらいは結構頻繁に走っていました。

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囲まれています。車の隙間をすり抜けている人もいますね。

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これは電停から撮りました。南千住の22番も一部短縮になります。

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銀座4丁目の電停は人で溢れています。

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もう一度5501。だいぶ三愛ビルで粘っていたようです。

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日比谷で2番の装飾車。朝夕しか運転されない系統なので、最初で最後の撮影となりました。

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37番の装飾車。東芝の直角カルダンを採用した特殊車で、特異な台車がちらっと見えています。これも滅多に動かない車で、営業線での撮影はこの1回だけでした。

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一旦家に帰り、装備を換えてまた銀座に戻りました。ソニービルです。

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昼間も撮った神明町の6100。

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4番の装飾車は1000形。

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8番の装飾車2016。この形式は前面の車号が前照灯の下なので、モールに隠れず確認できます。

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記念キップを買う人。これは品川駅前かな。最後は乗車して、買ったばかりのカセットテレコで車内の音を拾いました。「あとでみんなで食べてくれ」と車掌に菓子折を渡すオジサンなんかもいて、混雑していたけど和やかな雰囲気でした。