春真っ盛りとなった陽気が続く3月16日、18きっぷで東海道をひとっ走りして、岳南鉄道(現在は鉄道部門が独立して岳南電車)を訪問しました。タイトルどおり3度目の訪問で、最初は1981年6月、2度目は貨物営業が廃止になる直前の2012年3月14日でした。また行こうという気になったのは、岳南富士岡駅構内に最後まで残った電機4両を保存展示した「がくてつ機関車ひろば」が昨年春にオープンしたという話を聞いていたからです。

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吉原到着は10:34、トイレに行ったりしているうちに10:48発の電車を乗り逃がしてしまいました。まぁ、ほぼ30分おきの運転だから焦ることはありません。JRは12日のダイヤ改正で元セントラルライナーだった313系8500番代が静岡に転属しています。これに当たれば儲けものなのですが、熱海で接続したのはロングシートの313系3連。しかし、途中で211系と組んだ6連と擦れ違いました。

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岳南電車では720円の全線1日フリー乗車券を通年発売しています。吉原から終点の岳南江尾までが350円だから往復するだけでモトが取れます。しかもよく見れば一日が赤いハンコで2日に訂正されています。帰宅してから調べたところ、静岡県が交通事業者による誘客周遊促進事業の一環として50%の補助金を出し、2月14日から3月31日までは有効期間が倍増しているのです。なお、このきっぷは硬券と同じ厚紙でした。

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次の電車が到着。ヘッドマークのキャラは? オッサンにはどうでもいいことです。

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車内はほぼ京王時代のまま。上毛なんかと違ってワンマン仕様でも運転室寄りの座席が撤去されていません。

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運転台は2ハンドル。京王時代よりグリーンが濃いめです。

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車内の銘板。改造されてからの方が長くなっています。

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41年前の吉原。バックの大きな工場はなくなっています。クハ1107となっているのは元小田急のクハ1350形で、入線当初はモハになっていた名残のパンタ台が残っています。左端に見える重連の電機の2両目は元小田急デキ1020形だったED28のようです。

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岳南富士岡は車庫と検修設備(ホームの奥)があり、左の2線が「がくてつ機関車ひろば」になっています。電機は帰りに見ることにして、終点まで行ってみます。

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岳南江尾に到着。ここまで来たのは41年ぶり、平日朝の運用となる編成が昼寝しているのは昔と変わっていません。

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終点まで乗ったのはこの親子連れと私の3人だけでした。新幹線の通過を狙ったのだが、防音壁で窓から上しか見えない。

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時間が止まっているなぁ。パイプで組んだT字型の上屋は、各駅に共通したデザインです。

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踏切部分には貨物用側線のレールが残っています。駅は無人、交通系カードは使えません。

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駅の回りを一周してみます。ホームの南側も家が建ち、駐車場の隙間からしか撮影できません。この車両は富士急行時代にセミクロスにスー改造されています。オールMで電気を食うから、終日運用には入れたくないのでしょう。

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新幹線を潜った先の製紙会社まで延びていたと思われる引込み線の跡。現在は道路の手前で切れています。

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41年前、ホームの南側に家はありません。この頃は元小田急車が主力で、1905-1955-1600の3連固定はラッシュ時専用でした。1905は台車がボールドウィンタイプに取換えられています。

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1905の正面、貫通扉が取換えられています。方向板は吉原と岳南江尾のどちらかを隠すタイプ。タンク車も止まっていて、駅は今よりずっと活気があったはずです。

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1955のOK17台車。コロ軸受けに改造されています。MGは小田急時代だとデハに取付けられていました。

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次の列車が到着。本来ならラッシュ用ですが、両運車が1両入場しているのでやむなく動いているのでしょう。Mc-Tc編成だから電気代は単行とほぼ同じか。

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運転室寄りは片側の座席が撤去されています。

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6000系の電機品を流用しているので、運転台はワンハンドルマスコンです。

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岳南富士岡で下車して機関車ひろばを見学します。昼前後の光線状態は申し分なし。本線との間の柵も目立ちにくい色なのでそれほど気になりません。手前の2両は晩年の主力だったED40形。

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小田急デキ1010形と同形のED50形。こちらき2個パンタで勇ましい。西武にも同形車がいました。

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パンタ鉤外しの輪っか(吊り手の流用か)が元名鉄を物語っています。車体は塗替えたけど、ランボードは木が腐って危ない状態です。

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奥にいるED291もぎりぎり撮影できる隙間が空けられています。

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2012年も休車で同じ場所に留置されていました。

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こちら側が本来の見学場所ですが、晴れるともろ逆光になるので撮影は苦しい。

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廃車になっているモハ7002。何かの時には部品取りとして活用されるのでしょう。その奥にはワム80000が2両、コロ軸受けに改造された300000番代です。

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電機と駅名票を絡めて撮れます。手前の塗色は荷主の製紙会社のコーポレートカラーに合わせたもの。

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41年前にはこんなかわいい電機もいました。私鉄向けでは数少ない三菱電機製、すでに休車で場所は岳南江尾のようです。

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こちらは検修庫。7003が入場しています。

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電車のちゃんとした写真も撮りたくて、終点の手前の神谷までもどります。このあたりまで来ると工場はなく閑静な住宅地です。

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岳南富士岡に向かって緩いカーブの築堤になっています。

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だいぶ雪が溶けて斑になった富士山と絡めてみました。

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20分ほど待ってもう1本。こちらはだいぶ汚れが目立ちます。

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もう一度機関車ひろばに寄り道してから帰路につきます。岳南富士岡~比奈間の側線は撤去されていません。かつてはここにコンテナ車やワム80000がゴロゴロしていました。

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貨物扱いの中心だった比奈も、現在は線路が2本だけ。

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2012年3月14日の比奈。まだ7002が現役でした。

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工場へ貨車を押込むED402。本線は画面右にカーブしています。

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ワム80000を連ねてホームを通過。

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ED403はこんな塗分けでした。この時は岳南富士岡までしか行っていません。

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現在の岳南原田、ここも貨物扱いがありました。

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駅舎側に側線の一部が残っていますが、その先は葬儀場になっています。

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葬儀場のあたりでコンテナ車が発着していました。

*写真2点、追加しました

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2012年3月、岳南富士岡で撮影した仮台車。車輪に大歯車が付いているから、元はDT10でしょう。

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右の台車が97式ですかね。その昔、茨城交通の那珂湊でも見たことがあります。

ということで10年ぶりの岳南も十分楽しめました。帰りの東海道も元セントラルライナーとは擦違っただけ。フリーきっぷが2日間だからもう一度行こうというほど物好きではありません。

 話変わってこの1週間ほど、カード詐欺メールが頻繁に来ています。三菱UFJ銀行、ヨドバシ、マルイ系のカード、イオン銀行(そんなのあるんか)、JCBなどで文面はほとんど同じ。次はどこの名前を語ってくるのだろうか。